皆さん、次のマクロを組んで下さい。
Private Sub CommandButton1_Click()
Dim a As Integer 'aは整数を入れる整数
a = 10 'aは整数を入れる整数
Cells(4, 1) = a
f
Cells(5, 1) = a
End Sub
Sub f()
a = 25
End Sub
Private Sub CommandButton2_Click()
Rows("4:2000").Select
Selection.ClearContents
Cells(1, 1).Select
End Sub
実行ボタンを押すと、
fで
a = 25
としたのにaの値が10から書き換わっていないことが分かります。
変数名が同じでもローカル変数ですから、
有効なのはCommandButton1_Click内のみなのです。
本当は、
Sub f()
a = 25
End Sub
は
Sub f()
Dim a As Integer
a = 25
End Sub
としなければなりません。
エラーしなかったのはVBAだからです。
VBAの場合宣言しないと、
自動的にバリアント型の変数とVBAの方で宣言してしまうのです。
Sub f1()
For i = 3 To 5
Cells(5, i) = Int(101 * Rnd)
Next
For i = 3 To 5
・・・
の問題は、変数iの宣言をしていないことです。
そのために、ｉがもっとも大きなメモリを必要とする
万能型のバリアント型変数になってしまっています。
他の言語系なら、変数の宣言＝定義を行っていないわけですから、
エラーしてしまいます。
さて、
Private Sub CommandButton1_Click()
Dim a As Integer 'aは整数を入れる整数
a = 10 'aは整数を入れる整数
Cells(4, 1) = a
f
Cells(5, 1) = a
End Sub
Sub f()
Dim a As Integer
a = 25
End Sub
（ダウンロード添付ファイル）
に戻りましょう。
CommandButton1_Clickのaは赤い括弧の範囲内のみで有効ですし、
fのaは青の括弧内のみで有効です。
ですから、変数名が同じでもCommandButton1_Clickのaが、
プロシージャfで書き換えられてしまう心配はないのです。
これが関数の独立性です。
他の関数から独立しているのです。
変数の値が書き換えられてしまう心配がないということは、
プログラマーは関数の使い方だけを知っていればよくて、
関数の中身＝コード内容を一切知らないで済むということになります。
電卓の仕組みを理解していなくても電卓が使えるのと同じです。
中身を知らなくてプログラムできるので、
抽象化と呼ぶわけですが、
私は「ケースに覆われて中身が見えなくなった部品」といいたいと思います。
電卓もケースに覆われていて中身が見えないですね。
もっとも、コードですから見ようと思えば見ることが出来ますので、
あくまで比喩でいっているのです。
部品の使い方を知っていれば、
中身は見なくて済むのです。
いちいちプログラムコードを読まなくて済むのは大変ありがたいことです。
プログラムによっては、
何万行、何十万行もあるものもあります。
炊飯器に内蔵されているマイコンのプログラムでさえ、
ロール紙に書いていったら、
数キロのロール紙になってしまうでしょう。
中身を知らないで、組み込んでプログラミングすること
これが構造化プログラミングです。
中国や韓国などの電気産業が伸びてきたのは、
これと同じで部品の仕組みを知らなくても、
プラモデルのように単純に組み立てればよい・・・
ということが理由なのです。
さて、第４話のコード添付ファイル
の問題点が分かったはずです。
CommandButton1_Clickには、不要な１行
Dim i As Integer, w As Integer
があるし、関数f2から関数f8までには必要な１行
Dim i As Integer, w As Integer
がないということなのです。関数f1にも
Dim i As Integer
は必要です。
では皆さん第４話のコード添付ファイルを開いて問題を解消して下さい。
さて、サブプロシージャについては、
まだ説明しなければならないことがあります。
それは引数についてです。
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