第23講 数独を解くソフトの開発
第6話 Ver.1のコード解説その1
それでは何回かに分けてVer.1とVer.2のコードを解説しましょう。
今回はVer.1の
Sub sy()
Dim i As Integer, j As Integer
For i = 0 To 8
For j = 0 To 8
a(i, j) = 0
Next
Next
For i = 0 To 8
For j = 0 To 8
If Cells(4 + i, 3 + j) <> "" Then a(i, j) = Cells(4 + i, 3 + j)
Next
Next
End Sub
Sub f(g As Integer)
If cn = 1 Then Exit Sub
Dim i As Integer, j As Integer, jy As Integer, jx As Integer, ii As Integer, iii As Integer
Dim gy As Integer, gx As Integer
gy = Int(g / n)
gx = g Mod n
If a(gy, gx) > 0 Then
If g + 1 < n * n Then
Call f(g + 1)
Else
Call h
End If
Exit Sub
End If
ii = Int(10 * Rnd)
For iii = 1 To n
i = ((iii + ii) Mod 9) + 1
For j = 0 To 8
If j <> gx And a(gy, j) > 0 Then
If i = a(gy, j) Then GoTo tobi
End If
Next
For j = 0 To 8
If j <> gy And a(j, gx) > 0 Then
If i = a(j, gx) Then GoTo tobi
End If
Next
For j = gy - (gy Mod 3) To gy - (gy Mod 3) + 2
For k = gx - (gx Mod 3) To gx - (gx Mod 3) + 2
If (j <> gy And k <> gx) And (a(j, k) > 0) Then
If i = a(j, k) Then GoTo tobi
End If
Next
Next
a(gy, gx) = i
If g + 1 < n * n Then
Call f(g + 1)
If cn = 1 Then Exit Sub
Else
Call h
If cn = 1 Then Exit Sub
End If
tobi:
Next
a(gy, gx) = 0
End Sub
2つのSubプロシージャを解説します。
まず、Sub sy()のsyは初期化から取っています。
このプロシージャの役割は、
データ入力と初期化です。
syは次のようなコードでも十分です。
Sub sy()
Dim i As Integer, j As Integer
For i = 0 To 8
For j = 0 To 8
If Cells(4 + i, 3 + j) <> "" Then a(i, j) = Cells(4
+ i, 3 + j) Else a(i, j) = 0
Next
Next
End Sub
こちらの方が速いと思いますが、
実験によると有意な差はありませんでした。
第3話のsyは無駄がありますが、
コンピュータにとっては、初期化の作業は一瞬ですから、
差が出ないのです。
次に、Subプロシージャfについて解説します。
まず、
For j = 0 To 8
If j <> gx And a(gy, j) > 0 Then
If i = a(gy, j) Then GoTo tobi
End If
Next
は行のチェックを行っています。
赤いセルでいうと赤に3と1が入らないように、
GoTo文を使っています。
水色のセルなら4,3,6,9,5が入らないようにしています。
For j = 0 To 8
If j <> gy And a(j, gx) > 0 Then
If i = a(j, gx) Then GoTo tobi
End If
Next
はもうお分かりですね。
列の重複検査が任務です。
赤のセルなら8,9,5が入らないようにしていますし、
水色のセルなら2,1,8が入らないようにしています。
さて、一番難解な
For j = gy - (gy Mod 3) To gy - (gy Mod 3) + 2
For k = gx - (gx Mod 3) To gx - (gx Mod 3) + 2
If (j <> gy And k <> gx) And (a(j, k) > 0) Then
If i = a(j, k) Then GoTo tobi
End If
Next
Next
この部分は、私も大変頭が混乱しました。
赤いセルを例にすると、
緑の部分と重複していないか調べています。
この例の場合は、数字が入っていないので重複の心配は要りません。
しかし、水色のセルの場合は、
比較対象のセルに4と2が入っていますから、
これはすでにリストから外されています。
皆さんは、ブロック内の重複テストだから、
検査対象は、
とではないかと思いませんでしたか。
もちろん、そのようにしてもよいのですが、
実は無駄な操作です。
行部分と列部分はすでに重複検査が済んでいるわけですから、
不要です。
ブロック内の行と列の部分を除いたセルとのみ比較すればよいのです。
もし検査対象をとしたければ、
If (j <> gy And k <> gx) And (a(j, k) > 0) Then
は
If (j <> gy Or k <> gx) And (a(j, k) > 0) Then
と修正されることになりますが、
無駄を省くためには、
If (j <> gy And k <> gx) And (a(j, k) > 0) Then
が正解です。
AndとOrは否定文で使うときに頭が混乱しますので、
間違いないように注意しないといけません。
行も一致せず、列も一致せずなので、And文になります。
どうして、
For j = gy - (gy Mod 3) To gy - (gy Mod 3) + 2
For k = gx - (gx Mod 3) To gx - (gx Mod 3) + 2
If (j <> gy And k <> gx) And (a(j, k) > 0) Then
If i = a(j, k) Then GoTo tobi
End If
Next
Next
で緑の部分を動くのでしょうか。
次話でトレースして解説しましょう。
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