第１話 リスト構造解析とは？
※第２講ではヒント数を20程度にするという前提で進めます。
ヒント数が多いとエラーしますし、
たまにヒント数19辺りでもエラーすることがあります。
エラーした場合は、終了を選んで下さい。
そのトラブルの解消は、第32講で行われます。
第23講 数独を解くソフトの開発においては、
リスト構造解析を全体リスト構造解析と部分構造解析の２つで考えていましたが、
第31講ではさらに、局所リスト構造解析という概念を加えたいと思います。
リスト構造解析とは難しい呼び名ですが、
実際に皆さんが数独(ナンプレ）を解いているときに、
常に行っている解析（分析）です。
例えば、オレンジのセル（ます）を考える際に、
１，２，３，４，５，６，７，８，９の中から、
行（横列をこのサイトでは行と呼びます）の条件から５，７を外します。
また、列（縦列をこのサイトでは単に列と呼びます）の条件から８，９，６，２を外します。
さらに、ブロックの条件から８（列の条件からすでに外されていますが），１を外します。
すると、オレンジのセルに入る数字候補（リスト）は、３，４，５のみとなります。
リスト＝候補数字を考えることをリスト構造解析といっています。
正確には、集合｛３，４，５｝とその集合の要素数３（要素の３でなく、要素個数の３です）
をリスト構造解析と呼びます。
本来は集合｛３，４，５｝の中に要素の個数である３という概念は含まれていますが、
わざわざその集合の要素数３を加える訳は、
リストされている内容（候補数字）だけでなく、要素の個数３が重要な働きをするからです。
実際のプログラムでは
For i = 0 To 3-1
p(y(g), x(g)) = rlst(y(g), x(g), i)
のように使います。この場合は、
rlst(y(g), x(g), 0) = 3
rlst(y(g), x(g), 1) = 4
rlst(y(g), x(g), 2) = 5
とリストされています。
つまり、リストされる内容（候補数字）と候補数字の個数を分析して明らかにすることを
リスト構造解析といっているわけです。
そして、全セルについてリスト構造解析を行うことを全体リスト構造解析
ないしは全セルリスト構造解析と呼びます。
では、局所リスト構造解析とは何でしょうか。
それは、
空欄であった青いセルに例えば３を入れた場合に影響されるセルだけを
リスト構造解析することです。
では、部分リスト構造解析とは何でしょうか。
それは、すべての入力可能な数字について局所リスト構造解析をすることです。
３以外に４，６，８，９が入力可能です。
つまり、部分リスト構造解析とは、
３についての局所リスト構造解析
＋
４についての局所リスト構造解析
＋
６についての局所リスト構造解析
＋
８についての局所リスト構造解析
＋
９についての局所リスト構造解析
というわけです。
でも、数独（ナンプレ）を試行錯誤法
（もちろんこれは仮定法による解法ですから後にはこの方法は捨てます）
で解く場合には、
局所リスト構造解析のすべてを合わせたものが全体リスト構造解析なのだから、
局所リスト構造解析のみでよろしいのでは？
と思いになるでしょう。
ですが、
数独自動生成アプリ9×9・16×16・25×25統合版Ver.1（2017/03/16完成）
においては、部分リスト構造解析も使っています。
このアプリを開発するまでは、
局所リスト構造解析と全体リスト構造解析しか使っていませんでしたので、
局所リスト構造解析を部分リスト構造解析と呼んでいたのですが、
すべての入力可能な数字についても解析する必要があって、
1つの数字について行う解析を局所リスト構造解析
すべての入力可能な数字について行う解析を部分リスト構造解析と呼び直すことにしたのです。
尚、以下の記述ではリストという言葉を省略して
全体構造解析（全セル構造解析）、局所構造解析、部分構造解析
とする場合もあります。
