第2問 2008年度 東大数学 理系 第5問
自然数nに対して、をで表す。たとえば,
,である。
(1) mを0以上の整数とする。はで割り切れるが、
では割り切れないことを示せ。
(2) nが27で割り切れることが、
が27で割り切れるための必要十分条件であることを示せ。
(1)の超解説その2
『各位の数字の和が27の倍数ならその整数は27の倍数である』
の反例
5877の各位の数字の和は
5+8+7+7=27で27の倍数ですが、
5877÷27=217・・・18
で5877は27の倍数ではありません。
では次に、『各位の数字の和が27の倍数でないならその整数は27の倍数でない』
の反例はどうでしょうか。
27が反例ですね。
2+7=9で27の倍数ではありませんが、
27は27の倍数です。
『各位の数字の和が27の倍数でないならその整数は27の倍数でない』は、
『各位の数字の和が27の倍数でないならその整数は27の倍数でない』の対偶ですから、
成り立たないのは当然です。
では、==111111111が27で割り切れないことを示すにはどうしたらよいでしょうか。
解答のようにやっても良いわけですが、
単純に111111111÷27を計算すると、
商が4115226で余りが9で、割り切れません。
さて、ではいよいよ解答の
(1)の命題を(*)とし、(*)が成り立つことを数学的帰納法で示す。 ⅰ m=0のとき、 ===1 ==1 ==3 したがって、はで割り切れが、では割り切れないから (*)は成り立つ。 ⅱ m=k(≧0)とき(*)が成り立つと仮定すると、 はで割り切れるが、では割り切れないから、 3で割り切れない適当な整数pが存在して、 =p m=k+1の場合を考える。 = = = = ここで、の各位の数字の和は3なので、 は3の倍数であるが、9の倍数ではない。 よって、3で割り切れない整数qによって =3q とおける。このとき =3q・p=pq p,qは3の倍数でないので、適当な整数a,bによって、 p=3a±1,q=3b±1 と表せる。4つの組み合わせ pq=3(3ab+a+b)+1,3(3ab-a+b)-1,3(3ab+a-b)-1,3(3ab-a-b)+1 はいずれも3の倍数ではない。 したがって、はで割り切れるが、では割り切れないから、 (*)はm=k+1の場合も成り立つ。 以上ⅰⅱより、0以上のすべての整数について(*)が成り立つことが証明された。 |
の部分の超解説に入りましょう。
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