箱（変数）そのものを渡す手段はありませんが、
箱のアドレスを渡すことによって、
実質的に、配列を渡すことが出来ます。
そうです。
自分専用である配列（箱の集合）の秘密の隠し場所を他の社員に教えることによって、
他の社員はその箱の中身をいじれるようになるのです。
これこそがずっと皆さんを疑問の渦に巻き込んできた摩訶不思議な謎の正体です。
教えているのは箱集合のアドレスです。
配列を渡す例を書いてから、解説しましょう。
#include<stdio.h>
#include<stdlib.h>
void f(int *x); //データを作成する社員
void g(int *x); //データを表示する社員
int main(){
int *x=(int *)malloc(sizeof(int)*5);
f(x);
g(x);
return(0);
}
void f(int *x){
int i;
for(i=0;i<5;i++)x[i]=rand()%10;
}
void g(int *x){
int i;
for(i=0;i<5;i++)printf("%d ",x[i]);
printf("\n");
}
コピペ用添付ファイル
実行画面
1 7 4 0 9
解説
int *x=(int *)malloc(sizeof(int)*5);
としたとき、xには
配列xの先頭アドレスが収納されています。
もし、
であれば、x=1000です。
この住所1000を
f(x);
g(x);
によって、社員fとgに送っているのです。
実質的に配列を渡すのと同じと書きましたが、
正確には、
main専用の箱を１時的に社員fとgに使うことを認めている
といった方が良いでしょう。
箱のあり場所を教えて使わせているのです。
社員fは、その箱集合のそれぞれの箱に１桁のランダムデータを入れて、
社員gは、その箱集合のそれぞれの箱の中身を表示させています。
コードを次のように変更しても同じ結果になります。
#include<stdio.h>
#include<stdlib.h>
void f(int *x); //データを作成する社員
void g(int *x); //データを表示する社員
int main(){
int x[5];
f(x);
g(x);
return(0);
}
void f(int *x){
int i;
for(i=0;i<5;i++)x[i]=rand()%10;
}
void g(int *x){
int i;
for(i=0;i<5;i++)printf("%d ",x[i]);
printf("\n");
}
配列x[5]の先頭アドレスが、xに収納されていることは同じなのです。
また、
#include<stdio.h>
#include<stdlib.h>
void f(int x[]); //データを作成する社員
void g(int x[]); //データを表示する社員
int main(){
int x[5];
f(x);
g(x);
return(0);
}
void f(int x[]){
int i;
for(i=0;i<5;i++)x[i]=rand()%10;
}
void g(int x[]){
int i;
for(i=0;i<5;i++)printf("%d ",x[i]);
printf("\n");
}
コピペ用添付ファイル
としても結果は同じです。
ポインタではなく配列を引数できるのですが、
ポインタを引数にすることと原理は同じです。
f(x);
g(x);
のxは配列の先頭アドレスです。
配列そのものを送っているわけではなく、
配列の隠し場所を仕事を依頼する社員に教えて、
配列の中身を変更してもらったり、表示してもらったりしているわけです。
では、皆さん社員fとgに２次元配列を実質的に渡して、
実行画面が
1 7 4 0
9 4 8 8
2 4 5 5
1 7 1 1
5 2 7 6
となるようにして下さい。
条件は、fとgに２次元配列を渡し、
fで１桁のランダムデータを作成し、
gで表示させるものとします。
