第7講 ポインタ
第2話 ポインタの簡単な実例
本講義の方針は、先に事例を示すですから、
いつもの通り具体例を示してから、
解説していくことにしましょう。
#include<iostream> //入出力のために組み込む
using namespace std; //coutを使えるようにするために必要
void f(); //関数f()のプロトタイプ宣言
int main() {
f(); //関数f()に仕事を命じている
return(0);
}
void f() {
int a, *b; //変数aとポインタbの宣言
a = 1; //箱aに1を入れる
b = &a; //住所を収納する箱bに箱aの住所を代入
cout << "a =" << a << endl; //箱aの中身を表示
cout << "&a =" << &a << endl; //箱aの住所を表示
cout << "b =" << b << endl; //住所を収納する箱の中身を表示
}
実行結果
(住所=アドレスは毎回変わりますので、
皆さんの実行結果とは同じではありません。
アドレスは16進数表示になっています。)
変数のことを今まで箱と説明してきましたが、
正確に説明すると、メモリです。
記憶装置のある場所に一定容量のメモリを割り振り、
そのメモリにデータ書き込むものが変数です。
つまり、変数には住所=アドレスがあるのです。
&aは変数の住所を意味します。
記憶装置の00C3FB10が変数aの住所というわけです。
変数bは変数の住所を収納する変数です。
箱の住所を収納する箱がC言語には用意されていて、
箱の住所を収納する箱をポインタ変数というのです。
int *b;
と宣言すると、ポインタ変数bが用意されます。
つまり、箱の住所を収納する箱bが用意されるのです。
int b;
と宣言したのでは、ただのデータを収める箱bが定義されてしまいますので、
int *b;
によって、はじめて住所を収納する箱bが用意できるとC言語は定めているのです。
先のコードに1行を加えて、
#include<iostream> //入出力のために組み込む
using namespace std; //coutを使えるようにするために必要
void f(); //関数f()のプロトタイプ宣言
int main() {
f(); //関数f()に仕事を命じている
return(0);
}
void f() {
int a, *b; //変数aとポインタbの宣言
a = 1; //箱aに1を入れる
b = &a; //住所を収納する箱bに箱aの住所を代入
cout << "a =" << a << endl; //箱aの中身を表示
cout << "&a =" << &a << endl; //箱aの住所を表示
cout << "b =" << b << endl; //住所を収納する箱の中身を表示
cout << "*b =" << *b << endl; //住所の箱に入っている中身を表示
}
とすると実行結果は、
(アドレスは毎回変わるのでしたね。)
するとaと*bは同じということになります。
*と&の関係を表にしておくと
箱 | 箱の住所 | |
int a;と宣言 | a | &a |
int *b;と宣言 | *b | b |
ということになります。
つまり、*bは住所002AF914の箱に入っている中身の値を意味するのです。
でしたら、コードを次のように書き換えることは出来るでしょうか。
#include<iostream> //入出力のために組み込む
using namespace std; //coutを使えるようにするために必要
void f(); //関数f()のプロトタイプ宣言
int main() {
f(); //関数f()に仕事を命じている
return(0);
}
void f() {
int *b; //ポインタbの宣言
*b = 1; //箱*bに1を入れる
cout << "b =" << b << endl; //アドレスを入れる箱bの中身を表示
cout << "*b=" << *b << endl; //箱bの中身=アドレスにある箱の中身の表示
}
コードには赤い波線が表示されていませんので、
問題なさそうですが、−−−