第１話 隣項交換繰り返し法をマルチスレッド化するには？
第２１講で考えた隣項交換繰り返し法をマルチスレッド化するにはどうしたらよいでしょうか。
方法は
第１９講 ．NETによるマルチスレッド
※この講で扱う．NETによるマルチスレッドは、C言語およびC++のマルチスレッドではありません。VC++によって拡張された部分のマルチスレッドと考えていただいてよいかと思います。
第１話 普遍版魔方陣自動生成プログラムをマルチスレッド化するには?
第２話 マルチスレッド解答例？？
第３話 gcnew Threadによる簡単なマルチスレッド
第４話 和マルチスレッド解答例
第５話 素数探索マルチスレッド解答例
第６話 .NET による普遍版魔方陣自動生成マルチスレッド
第７話 Parameterizedによって関数を1つにまとめる
を使いましょう。
問題は、内容です。
どのようにしたらマルチスレッド化できるでしょうか。
最大値（最小値）排除繰り返し法とのスピード比較ですから、
データ数は１万以上の単位になりますが、
問題の本質を掴むために、
データ数を６個の次の例で考えてみましょう。
６８，１６，５，３，８４，２５
で考えてみましょう。
いったい何巡目で並び替えが終了するでしょうか。
第１巡目
６８，１６，５，３，８４，２５
６８，１６，５，３，８４，２５
６８，１６，５，３，８４，２５
６８，１６，５，３，８４，２５
６８，１６，５，８４，３，２５
６８，１６，５，８４，３，２５
６８，１６，５，８４，２５，３
第２巡目
６８，１６，５，８４，２５，３
６８，１６，５，８４，２５，３
６８，１６，５，８４，２５，３
６８，１６，８４，５，２５，３
６８，１６，８４，５，２５，３
６８，１６，８４，２５，５，３
６８，１６，８４，２５，５，３
第３巡目
６８，１６，８４，２５，５，３
６８，１６，８４，２５，５，３
６８，８４，１６，２５，５，３
６８，８４，１６，２５，５，３
６８，８４，２５，１６，５，３
６８，８４，２５，１６，５，３
６８，８４，２５，１６，５，３
第４巡目
６８，８４，２５，１６，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
４巡目で並び替えが成功しました。
これを前半３つと後半３つに分けて並び替えをしたらどうでしょうか。
第１巡目
６８，１６，５ ３，８４，２５
６８，１６，５ ８４，３，２５
８４，３，２５
８４，２５，３
第１巡目でいずれのグループも並び替えが終了しました。
次は合体して並び替えです。
６８，１６，５，８４，２５，３
第２巡目
６８，１６，５，８４，２５，３
６８，１６，５，８４，２５，３
６８，１６，５，８４，２５，３
６８，１６，８４，５，２５，３
６８，１６，８４，５，２５，３
６８，１６，８４，５，２５，３
第３巡目
６８，１６，８４，５，２５，３
６８，１６，８４，５，２５，３
６８，８４，１６，５，２５，３
６８，８４，１６，５，２５，３
６８，８４，１６，５，２５，３
６８，８４，１６，２５，５，３
６８，８４，１６，２５，５，３
第4巡目
６８，８４，１６，２５，５，３
８４，６８，１６，２５，５，３
８４，６８，１６，２５，５，３
８４，６８，１６，２５，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
８４，６８，２５，１６，５，３
いずれも終了するまで4巡しました。
しかし、手順総数（上の行数）を数えてみると２７と２４と２グループに分けた方が少なくなっています。
この効果は、データ数が増えるに従って大きくなると予想できます。
そして、グループ数も２グループより４グループの方が手順は少なくなるでしょう。
４グループに分けて、４つのグループの並び替えを並列に行えば高速が図れると期待できます。
マルチスレッド化に入る前に、
第５話 隣項交換繰り返し法自己再帰版
を２点改良しておいてください。
① プログラムをわかりやすくするためにint n,*m;をグローバル変数にして各関数の形をシンプルにする。
② 関数gの引数にグループの最初の番号と最後の番号を入れられるようにする。
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