第1講 始めようVisual C++!
第6話 プロジェクトのバックアップの方法
皆さんは、ワードやエクセルなどで仕事されているとき、保存はどうしているでしょうか。
文書ができてから、ファイルを保存されている方が多いのではないでしょうか。
その習慣は、実はあまりよい習慣ではありません。
例えば、文書を作るのに2時間ぐらいかけていてもうすぐ完成だというときに、
今回のような大震災が来てしまって停電になってしまったら、
2時間の仕事は無駄になってしまいます。
自動バックアップの機能は、あまり信用されない方がよいと思います。
停電になっても自動バックアップで、ある程度再現できる場合もありますが、
完全に失われてしまう場合もあります。
停電は極端な例だと思われるかもしれませんが、私にはこんな苦い思い出があります。
出版社から執筆依頼を受け、ワードで本を書いていました。
私は、豆に保存する習慣をつけていましたが、この時は筆がのってしまい、
2時間ほど保存しないで夢中でワープロを打っていました。
それで、「あっ、保存忘れてた。」と気づき、Ctrl+Sで上書き保存をかけました。
ところが、その瞬間コンピュータがフリーズしてしまったのです。
この瞬間私の方がフリーズ(凍るの意味)してしまいました。
私の2時間の労働は無に帰したのです。
午前中執筆していて、疲れたので休憩に行こうと思って上書き保存をかけたときの事故でした。
私は、昼食をとりながら自暴自棄になり、もう今日は仕事はやめだと思いました。
しかし、気を取り直してもう一度コンピュータの画面に向かいましたが、
あののりにのった2時間の原稿は、決して再現することができませんでした。
何度書いても先ほどの原稿の方がずっとよかったと思われたのです。
人生最大の傑作部分が永遠に失われてしまったのです。
ですから、皆さん今日から習慣を変えることをお勧めします。
その方法とは、ワードを始めて表題を書いたらすぐに名前をつけて保存してしまうのです。
そして、ちょっと疲れたなと思ったら、CtrlキーとSを同時に押します。
そうすると上書き保存になります。
Ctrl+S:上書き保存 Ctrl+O:ファイルを開く Ctrl+P:文書を印刷する
Ctrl+C:コピー Ctrl+V:貼り付け(ペースト) Ctrl+X:切り取る
等の機能を覚えておくと便利ですよ。マウスでクリックするより圧倒的に速いですよ。
最初に保存し、時々Ctrl+Sで上書きという習慣をつけることをお勧めしますよ。
もう一つお勧めしたい習慣は、ファイルをバックアップする習慣です。
これは、エクセルでVBAをやるときに特につけていただきたい習慣です。
VBAでF5を押して実行に成功した後、大幅にプログラムを変更するときには、
是非ともやっていただきたいと思います。
変更する前に、名前を別名で保存しておくのです。
できればいくつか別名で保存されることをお勧めします。
例えば、数独問題作成プログラムを作っているとき、
本体のファイル名が数独問題作成ソフトなら、バックアップファイル名は数独問題作成ソフトBP1、数独問題作成ソフトBP2
等としておくのです。
というのは、プログラムはいじると実行エラーしてしまう場合が多いのです。
そして、その原因の究明で半日とか数日も要してしまう場合もあります。
1週間もあうでもない、こうでもない、と試行錯誤を繰り返していたら、原因はたった一つのタイピングミスであったりします。
プログラムは、数十万行あってもたった一つの単語のスペルリングミスで動かないのです。
F5を押して実行エラーし、どうしても原因がわからないときは、
先のバックアップファイル数独問題作成ソフトBP1を読み込み、それを本体ファイル名「数独問題作成ソフト」で保存し直します。
すると元のファイルが復旧できます。
実行に成功したら、是非ともいろいろな名前でバックアップをとっておきたいところです。
これはロールプレイングゲームと同じ要領です。
冒険するとき、いろいろな場所で豆に保存しておく。
例えば、A→B→C→Dと冒険してうまく行かなければ、Cに戻ってやり直す。
それでもだめならBに戻って、A→B→E→F→C等と冒険をやり直す、等がロールプレイングゲームの必勝法ですよね。
プログラミングでも是非同じ手法をとっていただきたいのです。
以上をまとめます。
@ 最初に名前をつけて保存し、豆に上書き保存をかける。
A 重要な局面ではいくつかのバックアップファイルを別名で保存しておく。
エクセルのファイルは別名で保存するだけで、バックアップができます。
ではVisual C++の場合はどうでしょうか。
メニューバーのファイルをクリックしても、
残念ながらプロジェクトを別名で保存するというのがありません。
結論を言うとVisual C++上からはバックアップすることはできません。
ならばバックアップする方法はないんでしょうか。
そんなことはありません。きわめて簡単にバックアップする方法があります。
例えば、スタートメニュー→→
→
→→
とここまで来たら、
バックアップしたいフォルダで右クリックをします。
コピーを選び、
どこでもいいですから別のフォルダに右クリック貼り付けを選べばよいのです。
今は貼り付け先としてProjectsを選んだ場合で説明します。
メッセージソフトフォルダで右クリックしコピーを選んだ後、再び右クリックをし、
貼り付けを選びます。すると、
メッセージソフト-コピーというフォルダができます。これがフォルダのバックアップです。
もう1個バックアップフォルダを作りたいときは、同じことをもう1回繰り返します。
メッセージソフト右クリック→コピー→右クリック→貼り付け
では、バックアップに成功したかどうかを確認しましょう。
そして、バックアップフォルダであるメッセージソフト-コピーをダブルクリック!
次にメッセージソフト.slnをダブルクリック!
これだとメッセージソフトが起動したかわかりませんが、赤い囲いのメッセージソフトをダブルクリックしてください。
さらに、ヘッダファイルををダブルクリック!
そして、Form1.hをダブルクリック!
確かに第5話等で作ったメッセージソフトであることがわかります。
では、本体を修正していたらビルドできなくて、原因がわからず修復が困難である場合どのように復旧したらよいでしょうか。
本体フォルダをダブルクリックして、中のフォルダやファイルをDeleteキー等でいったん削除し、
次にバックアップフォルダのメッセージソフト-コピーをダブルクリックして開き、中のすべてのフォルダやファイルをコピーし、
メッセージソフトにペースト(貼り付け)すればよいのです。
手順を再現してみましょう。メッセージソフトをダブルクリック。
Debugでクリック!
次に、Shiftキーを押しながらメッセージソフト.suoをクリック!
この状態でDeleteキーを押します。
はいをクリック
をクリック
次にメッセージソフト-コピーをダブルクリック
先ほどと同手順ですべてを選択状態にする(Debugでクリック→Shiftキーを押しながらメッセージソフト.suoをクリック)。
Ctrl+Cでコピー
をクリックして戻る。
メッセージソフトで右クリックして、貼り付けを選択
以上で復元ができます。
実際、メッセージソフトをダブルクリックして確認しましょう。
メッセーソフトをダブルクリックすると先ほどと同じになる。
完全復元が確認されました。
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