第４話問題解答例
Private Sub CommandButton1_Click()
Dim i As Byte, j As Byte, w As Single
'各生徒の合計・平均
For i = 1 To 2
w = 0
For j = 1 To 3
w = w + Cells(6 + i, 1 + j)
Next
Cells(6 + i, 5) = w
Cells(6 + i, 6) = w / 3
Next
'各教科の合計・平均
For i = 1 To 5
w = 0
For j = 1 To 2
w = w + Cells(6 + j, 1 + i)
Next
Cells(9, 1 + i) = w
Cells(10, 1 + i) = w / 2
Next
End Sub
実行画面
解説
２次元ループになると、１次元ループより著しく難しくなります。
なので１行１行解説していきましょう。
Dim i As Byte, j As Byte, w As Single
iとjをバイト型にした理由は、iとjは５以下であることが明らかだからです。
wは単精度浮動小数点型にしてあります。
理由は、割り算を使うからです。
割り算を使うときは、単精度浮動小数点型か倍精度浮動小数点型にしておいた方がよいのです。
VBAの場合は、整数型にしておいてもちゃんと小数にしてくれますが、
そのデータで足し算を行うときに微妙な誤差が生まれます。
ですから、割り算があるときは単精度浮動小数点型か倍精度浮動小数点型にしておいた方がよいのです。
次の
'各生徒の合計・平均
For i = 1 To 2
w = 0
For j = 1 To 3
w = w + Cells(6 + i, 1 + j)
Next
Cells(6 + i, 5) = w
Cells(6 + i, 6) = w / 3
Next
ですが、うっかり
'各生徒の合計・平均
w = 0
For i = 1 To 2
For j = 1 To 3
w = w + Cells(6 + i, 1 + j)
Next
Cells(6 + i, 5) = w
Cells(6 + i, 6) = w / 3
Next
としてしまうと、
となってしまいます。
出席番号ごとに、いったんは合計を０にしないと累積してしまいます。
３９２とは４２＋９８＋９１＋２２＋７４＋６５です。
さて、
'各生徒の合計・平均
For i = 1 To 2
w = 0
For j = 1 To 3
w = w + Cells(6 + i, 1 + j)
Next
Cells(6 + i, 5) = w
Cells(6 + i, 6) = w / 3
Next
For文制御変数iとjの働きは何でしょうか。
iは行の操作、jは列の操作です。
i=1は出席番号１に対応します。
ですから、i=2は出席番号２に対応します。
j=1は何に対応するかと申しますと、国語です。
ですから、j=2は数学､j=3は英語に対応します。
トレース（コンピュータの動きを追うこと）してみましょう。
Ⅰ i = 1の場合
w = 0
ⅰ j = 1のとき、
w = w + cells(6 + 1,1+1)
より
w←０＋４２なのでwの箱には４２が入ります。
ⅱ j = 2のとき、
w = w + cells(6 + 1,1+2)
より
w←４２＋９８なのでwの箱には１４０が入ります。
ⅲ j = 3のとき、
w = w + cells(6 + 1,1+3)
より
w←１４０＋９１なのでwの箱には２３１が入ります。
Cells(6 + 1, 5) = w
Cells(6 + 1, 6) = w / 3
により、合計と平均のセルに２３１と７７が入ります。
Ⅱ i = 2の場合
w = 0
ⅰ j = 1のとき、
w = w + cells(6 + 2,1+1)
より
w←０＋２２なのでwの箱には２２が入ります。
ⅱ j = 2のとき、
w = w + cells(6 + 2,1+2)
より
w←２２＋７４なのでwの箱には９６が入ります。
ⅲ j = 3のとき、
w = w + cells(6 + 2,1+3)
より
w←９６＋６５なのでwの箱には１６１が入ります。
Cells(6 + 2, 5) = w
Cells(6 + 2, 6) = w / 3
により、合計と平均のセルに１６１と５３．６７が入ります。
教科などの合計については、ご自分でトレースされてみてください。
さて、いよいよ懸案のダウンロード用ファイル成績一覧表拡大版２次元ループによって完成させましょう。
前に教科合計は作ってありますがその部分も２次元ループにしましょう。
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