余弦定理における自然数解について

 

 余弦定理において、cosCが無理数であるならば、自然数解(x、y、z)が存在しないことは自明である。なぜなら、(x、y、z)が自然数であると仮定すると、

    

の式から、左辺は無理数で右辺は有理数となって矛盾してしまうからである。

 ではcosCが有理数で、−1<cosC<1を満たすとき、自然数解(x、y、z)は存在するであろうか。この論文ではこの問題について考えてみたい。

 

 なお、自然数解が存在するということと、正の有理数解が存在するというのは同値である。なぜなら、有理数解(x、y、z)が存在する場合x、y、zの分母の公倍数をかければ自然数解(x、y、z)にすることができるからである。

 しかし、cosCが有理数であれば、x、y、zは必ず有理数であるというわけではない。などいくらでも反例を作ることができるからである。

 

 手がかりを得るために、具体的な数値で考えてみることにしよう。C=60°、90°、120°の場合、すなわちcosC=tとおけばの場合について考えてみよう。(言うまでもないことであるが、C=90°の場合はピタゴラス数になる。)次にそれをヒントに一般的な場合を考えてみよう。

 

メニュー

 

1.   t=1/2の場合

2.   t=0の場合

3.   t=−1/2の場合

4.   t≠1/2,t≠0,−1<t<1の場合


数学研究室に戻る

上にメニューが示されていない場合は、下のバナーをクリック。