4.t≠1/2,t≠0,−1<t<1の場合

   

ここで,

x=z−α,y=z−βとおくと,

これを展開してzについて整理すると,

よって,t≠1/2ならば

このような複雑な式からルートが消え,しかも約分によって分母も消えてしまうものなのだろうか?

t=−1/2の場合を手がかかりにしてみよう。

t=−1/2とおくと,

    B

U分母α+βが約分によって消えるようにしてやる方法では任意の整数pに対して,

であった。このとき,

これを式Bに代入すると,

魔法のようにルートがはずれ,しかも一方の場合は分母まで消えている!!!

 

 

どうやらポイントは,βをαの2次式に置くことにあるようである。

において,

とおいてみよう。さらに,ルートの中をDとおくと,

ここで,

=0

とおくと,

であり,

   

ここで,

 

とおくと,

であり,式Cが完全平方になるための条件は,

すなわち,

より,

すなわち,

このとき,

したがって,

よって,一方は

ここで,を代入すると,

x=z−α,y=z−βより

ゆえに,t>0のときは十分小さいαに対して,t<0のときは十分大きいαに対して,z>0,x>0,y>0を満たし,最大辺はzまたはxである。しかも,

  |z−x|=|α|<y

したがって,x,y,zは三角条件を満たす。

 

以上より,正の有理数解(x,y,z)は無限に存在する。すなわち,自然数解(x,y,z)が無限に存在する。

 

 

t=1/3,−3/7についていくつかの解を示してみよう。

 

 t=1/3のとき

p=1の場合

 

@ α=2とすると

  z=6,x=4,y=6

よって,(x,y,z)­=(2,3,3)

A α=1とすると

  z=11,x=10,y=9

 よって,(x,y,z)=(10,9,11)

B α=0とすると,

  z=18,x=18,y=12

  よって,(x,y,z)=(3,2,3)

C α=−1とすると,

  z=27,x=28,y=15

  よって,(x,y,z)=(28,15,27)

D α=−2とすると,

  z=38,x=40,y=18

  よって,(x,y,z)=(20,9,19)

E α=−3とすると,

  z=51,x=54,y=21

  よって,(x,y,z)=(18,7,17)

p=2のとき

 

@ α=1とすると,

  z=3,x=2,y=3

  よって,(x,y,z)=(2,3,3)

A α=0とすると,

  z=9,x=9,y=6

  よって,(x,y,z)=(3,2,3)

B α=−1とすると,

  z=19,x=20,y=9

  よって,(x,y,z)=(20,9,19)

C α=−2とすると,

  z=33,x=35,y=12

  よって,(x,y,z)=(35,12,33)

D α=−3とすると,

  z=51,x=54,y=15

  よって,(x,y,z)=(18,5,17)

E α=−4とすると,

  z=73,x=18,y=73

  よって,(x,y,z)=(77,29,73)

@Aは重複があるが,明らかに違う無限系列を作り出している。pの値によって無限系列が異なるので,無限系列は無限種類存在することになる。

 

 

t=−3/7のとき

p=1とする。

すべての両辺に81をかけて,改めてz,x,yとおくと,

@ α=4とすると,

  z=346,x=22,y=336

  よって,(x,y,z)=(11,168,173)

A α=5とすると,

  z=715,x=310,y=525

  よって,(x,y,z)=(62,105,143)

B α=6とすると,

  z=1246,x=760,y=714

  よって,(x,y,z)=(380,357,623)

 

 


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