1.C=60°の場合

   

ここで,

x=z−α,y=z−βとおくと,

これを展開してについて整理すると,

ここで,のとき,

  それぞれの両辺にα+βをかけると,

(α+β),(α+β),(α+β)をそれぞれ,と置き直すと,

よって,β<0のときは十分大きいαに対して,z>0,x>0,y>0になる。また,β>0のときは十分小さいαに対して,z>0,x>0,y>0となる。

C=60°からは最大辺ではあり得ない。が最大辺であると仮定すると,α<0,β>0で,

から十分小さいαに対して満たし,,zは三角条件を満たしている。が最大辺であると仮定すると,α>0,β<0で,

を満たし,,zは三角条件を満たしている。

以上から,自然数解は無限に存在することが示された。

 いくつかの解を示してみよう。

@          β=1のとき

 

@ α=−1とすると

  z=3,x=3,y=3

  これは先ほどの正三角形(x,y,z)=(1,1,1)と同じ解である。

A α=−2とすると

  z=7,x=5,y=8

 よって,(,z)=(5,8,7)

B α=−3とすると,

  z=13,x=7,y=15

  よって,(,z)=(7,15,13)

C α=−4とすると,

  z=21,x=9,y=24

  よって,(,z)=(3,8,7)

D α=−5とすると,

  z=31,x=11,y=35

  よって,(,z)=(11,35,31)

E α=−6とすると,

  z=43,x=13,y=48

  よって,(,z)=(13,48,43)

A          β=2のとき

 

@ α=−1とすると,

  z=7,x=8,y=5

  よって,(,z)=(8,5,7)

A α=−2とすると,

  z=12,x=12,y=12

  よって,(,z)=(1,1,1)

B α=−3とすると,

  z=19,x=16,y=21

  よって,(,z)=(16,21,19)

C α=−4とすると,

  z=28,x=20,y=32

  よって,(,z)=(5,8,7)

D α=−5とすると,

  z=39,x=24,y=45

  よって,(,z)=(8,15,13)

E α=−6とすると,

  z=52,x=28,y=60

  よって,(,z)=(7,15,13)

@   とAは重複があるが,明らかに違う無限系列を作り出している。βの値によって無限系列が異なるので,無限系列は無限種類存在することになる。


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