超拡大ピタゴラス数問題

a,b,cを有理数とするとき、

は、整数解(自然数解も含む)をもつであろうか。余弦定理における自然数解問題(拡大ピタゴラス数問題)を手がかりに、この問題を考えてみよう。拡大ピタゴラス数では、一つが媒介変数αの一次関数で、他の二つはαの二次関数となった。

 そこで、とおいてみよう。すると、

 

 

 

これが、完全平方になるように、

とおく。よって

ここでとおけば、

また、Aから

すなわち、

よって、ならば

すなわち、


したがって、

ゆえに、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よって、z>0,x>0,y>0(正の有理数)に限定すると、

 

十分大きいxまたは十分小さいxに対して

を満たすから、

p>0として両辺にをかけて、

よって、でcが平方数ならば

の正の有理数解であり、pやxに応じて無限に存在する。そして、の分母の公倍数をかければ、自然数解となるので、自然数解は無限に存在する。

それではいくつかの自然数解を示すことにしよう。

T a=2,b=3,c=1のとき

 

p=1とすると

 

@          x=2のとき、(32,17,63)

A          x=3のとき、(48,73,143)

B          x=4のとき、(64,161,255)

C          x=5のとき、(80,281,399)

D          x=6のとき、(96,433,575)

p=2とすると、

@          x=3のとき、(96,433,575)

A          x=4のとき、(128,833,1023)

B          x=5のとき、(160,1361,1599)

C          x=6のとき、(192,2017,2303)

D          x=7のとき、(224,2801,3135)

 

U a=−2,b=5,c=1のとき

p=1のとき

@          x=2のとき、(32,17,31)

A          x=3のとき、(48,57,111)

B          x=4のとき、(64,129,223)

C          x=5のとき、(80,233,367)

D          x=6のとき、(96,369,543)

p=2のとき、

@          x=1のとき、(32,17,31)

A          x=2のとき、(64,129,223)

B          x=3のとき、(96,369,543)

C          x=4のとき、(128,737,991)

D          x=5のとき、(160,1233,1567)

V a=3,b=−1,c=4のとき、

p=1とすると、

@          x=1のとき、(256,241,606)

A          x=2のとき、(512,1041,2142)

B          x=3のとき、(768,2353,4702)

 


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