4次魔方陣を作ろう!


どうだい。小中学生の諸君。4次魔方陣は作れたかな。
4次魔方陣はむずかしいだろう。
問題が複雑な場合、単純な問題になるように工夫すればいい。
部分や要素が入り組んでいて問題が複雑なら、要素や部分に分ければいい。
全体を個々の部分に分けたり、要素に分けることを難しい言葉で、分析というよ。
要素に分けて、解決の見通しがついたらそれらの部分または要素をまた組み合わせればいい。
個々の部分や要素から全体を組み立てることを、総合というよ。
分析して総合する、という方法は算数や数学で極めて大事な方法だ。
いや、算数や数学だけでなく自然科学(理科)や社会科学(社会)においてもよく使う基本的な方法だ。
日常生活でも、人間は難しい問題に出会ったときに無意識のうちにこの方法を使用している。


では、魔方陣の問題をどういう要素に分けたらいいだろうか。
この問題を考える手始めとして、普通の整数の仕組みを考えてみよう。
例えば、56だ。この56はどういう仕組みになっているだろうか。
小学生のみんなも十の位と一の位があるということを知っているよね。
56なら十の位が5で一の位が6だ。
でも十の位が5で一の位が6というのはどういう意味だろうか。
56は10が5つと1が6つという意味だ。
56円なら10円玉5個と1円玉6個だよね。
それを式で書くと、
56=10×5+6
だから56は十の位と一の位の2要素から成り立っている。
もし0〜99までの数字
(これは99個ではないよ。100個だ。
よく小学生に5から10までの整数の個数はと聞くと10−5=5で5個だと答える人がいるけど、
5,6,7,8,9,10で6個だ。10−5だと5を数えないことになってしまう。)
を使って10次魔方陣を作れといわれたらどうする?
(1でなく0から始める理由は、すべて二桁で考えたいからだ。
例えば、5を05と表記すれことにすれば0〜99なら00,01,02,・・・,98,99ですべて二桁になるけど、
1〜100だと01,02,03,・・・,99,100で最後だけ3桁になってしまう。
2要素に分解するには二桁に統一しなければならないので0から99としているわけだ。
通常の魔方陣にするには完成した方陣のすべての数字に1加えればいいだけだ。)
これは4次魔方陣とは比べものにならないぐらい難問(難しい問題)だ。
でも十の位と一の位にわけて、それぞれの合計が同じになるようにしてから合成したら、
問題は遙かに簡単になる。

例えば、次の2つの表を見てみよう。


表1

4 7 1 4 7 1 2 9 9 1
8 6 8 1 6 3 3 1 5 4
8 8 1 5 2 6 5 0 8 2
1 6 0 8 5 2 2 5 9 7
5 4 7 3 8 4 2 2 4 6
8 3 3 0 2 7 9 4 2 7
0 0 8 8 0 5 6 9 5 4
1 1 9 3 9 6 6 5 0 5
3 7 4 6 6 2 1 7 0 9
7 3 4 7 0 9 9 3 3 0


表2

0 2 5 4 6 7 3 8 9 1
6 1 9 8 5 2 7 4 0 3
7 8 2 6 9 0 4 3 1 5
9 4 6 3 8 1 2 5 7 0
1 5 3 9 4 6 8 0 2 7
2 3 8 0 7 5 1 9 6 4
4 7 0 5 1 9 6 2 3 8
3 6 4 1 0 8 9 7 5 2
5 9 7 2 3 4 0 1 8 6
8 0 1 7 2 3 5 6 4 9

表1,2は行・列・対角線の合計がすべて45になっている。表1を十の位、表2を1の位を表しているとして合体すれば、

40 72 15 44 76 17 23 98 99 11
86 61 89 18 65 32 37 14 50 43
87 88 12 56 29 60 54 03 81 25
19 64 06 83 58 21 22 55 97 70
51 45 73 39 84 46 28 20 42 67
82 33 38 00 27 75 91 49 26 74
04 07 80 85 01 59 66 92 53 48
13 16 94 31 90 68 69 57 05 52
35 79 47 62 63 24 10 71 08 96
78 30 41 77 02 93 95 36 34 09



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