4次魔方陣を作ろう!

君たちは、前回3次魔方陣に挑戦した。今回は4次魔方陣に挑戦しよう。
3次と違って、今回はかなり難しいぞ!

30分はヒントを見ないで考えよう。
算数数学の楽しさは、考えることにあるのだよ。


でも先生,答えは前のページに書いてあるよって?
4次魔方陣の答えは、たくさんある。後で解説するけど、10個や20個のレベルではない。
だから、10人の小中学生が正解を出したとしても、おそらく1つも同じものはないだろうね。

ヒントを書く前に自己紹介をしておこう。
トップページを見てもらえば、わかると思うけど僕は県立高校の先生だよ。
数学と情報を担当している。
出身学科は、物理学科(理科の第一分野に物理があるよね。)だから物理も得意。
その他、哲学や経済学や言語学なども好きで本をよく読んでいる。
最初は社会(公民)の先生になろうかなと思っていたほど。
現在は、3年生理系クラスの担任。

県立高校の先生になる前は塾教師もしていた。
だから、小中学生も教えていた。
塾教師時代中学1年生から5次魔方陣の作り方を教わってから魔方陣にはまってしまった。
後で紹介するけど、その方法は非常に簡単なものだ。
なぜ、この簡単な方法でできてしまうのかが不思議でならず研究を始めたというわけ。
魔方陣の研究に関しては、僕なりのこだわりがある。
基本的には本やネットは見ないで研究するということ。
自分1人でどこまできるのか挑戦したいから。
したがって、以下に述べていく研究のほとんどは僕が発見したもの。
分量は、本2冊が書けるほどのものになるけど、
魔方陣に関してはおそらく1%も解明していない。
魔方陣に関しては謎はいっぱい。
君たちも研究して謎を解明していこう。


ヒント1

4次魔方陣は3次魔方陣より遙かに難しい。
理由は、埋める数字が9種類から16種類に増えるだけではない。
それ以外の理由は3つある。
@キーとなるセル(ます)の存在
Aキーとなる数字の存在
B補数の組の多さ

@キーとなるセル(ます)の存在
3次魔方陣では4回も登場するセル(ます)があった。

a+e+i=15
c+e+g=15
b+e+h=15
d+e+f=15
というわけで、eは合計を15にするために4回も登場する。
だから、セルeは3方陣のキーとなるセルだ。

ところが、4次魔方陣ではどうだろうか。

a+f+k+p=34
b+f+j+n=34
e+f+g+h=34
となりfは3回登場する。
同様に対角線上のセルは、すべて3回登場するが、
4回登場するセルは1個もない。
3次魔方陣では、対角線がeのところで交差していたので、eは4回登場してキーとなった。
しかし、4次魔方陣ではキーとなるセルが存在しない。


Aキーとなる数字の存在
3次の場合は、
(1+2+3+・・・+9)÷9=5(これは1行の合計÷3=5と同じ。)
行や列や対角線の平均である数字5があったが、
4次の場合、
(1+2+3+・・・+16)÷16=8.5(これは1行の合計÷4=8.5と同じ。)
で行などの平均となる数字は存在しない。
つまり、3次魔方陣のようにキーとなる数字が存在しないのである。


B補数の組の多さ
まず補数から説明しよう。3次魔方陣を例に説明すると、
a+e+i=15
eにはキーとなる数字5が入るので、
a+i=10である。10は全体の平均5の2倍である。
このように2つの数を足したとき、平均の2倍になるとき、
aとiは互いに補数という。魔方陣作成の際には、補数をうまく組み合わせることがコツの1つとなる。
3次魔方陣の場合は、補数の組は(1,9)(2,8)(3,7)(4,6)の4組。
4次魔方陣の場合は、(1,16)(2,15)(3,14)・・・(8,9)の8組。
3次魔方陣の場合はキーとなる真ん中のセルにキーとなる数字5を入れてから、
残りは補数の組を入れていって、各列各行の合計が同じになるものを探せばよかった。
補数の組み合わせが少ないので、試行錯誤で可能であったが、4次では補数の組が多すぎる。


以上から4次魔方陣を作成するには、工夫をする必要がある。
次回、その工夫を考えてみよう。


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