を有理数とするとき、
方程式
A
は自然数解をもつか。
特定の条件のとき、自然数解をもたないことは証明されている。特定の条件とは、
n≧3で、のときで、
である。すなわち、有名なフェルマーの定理である。
式Aは常に自然数解をもたないだろうか。n=2のときは、
において、aまたはcが平方数ならば、自然数解が無限に存在することは、すでにこのHP上で証明されている。
n≧3のときはどうであろうか。次の場合、自然数解が無限に存在することは自明である。a,bを自然数とし、
となるときである。この場合、式Aは次のように因数分解される。
よって、(x,y,ax+by)は式Aの自然数解である。x,yは任意の自然数をとることができるので、式Aの自然数解は無限に存在する。
これからの研究課題は、いかなるときに式Aは無限に自然数解をもつのか、またはもたないのかである。
なお、式Aが整数解をもつということと有理数解をもつことは同値である。なぜなら有理数解が存在したとすると、の分母の公倍数mによって、は整数の組であるが、のとき、
の計算からも式Aの解であるからである。
同様にが有理数解のとき、任意の有理数αをかけたも式Aの解である。これらを別の解とすると、解は存在するとすれば常に無限にあることになってしまうので、ここではのとき、解と解を同一解と定義することにする。したがって、異なる解の定義は、となることである。
拡大フェルマー予想
方程式
はn=2の場合を含めある条件下では自然数解を一つも持たない。