足し算的手法(偶数次魔方陣の一般的作成方法)第2弾その1



10次魔方陣の各パーツは次の通り。



の部分が10次魔方陣では正方形でなく、長方形になっている。
足し算的手法の第1弾で予告した新しい概念とは、
長方准魔方陣である。普通の魔方陣は、正方形ですべての列・行・対角線の合計が等しくなるものであるが、
私の定義する長方准魔方陣とは、すべての列と行の平均が等しいものである。
普通の魔方陣との違いは、合計が平均となっていることと対角線の条件がないことである。
准をつけたのは、対角線の条件がないからだ。
行数が4で列数が6である長方准魔方陣の場合、4-6准魔方陣と名付けよう。
1から24までの数字を入れて、各列・各行の平均が同じになるようにする。
これは対角線の条件がないので、普通の魔方陣を考えるより遙かに簡単にできる。
例えば、次のように入れれば4-6准魔方陣は完成する。

1 2 3 24 23 22
21 20 19 4 5 6
18 17 16 7 8 9
10 11 12 15 14 13

すべての行合計は75であり、それを6で割った平均は12.5。
また、すべての列合計は50であり、それを4で割った平均はやはり12.5。
12.5は全体の平均(1+2+3+・・・+23+24)÷24=12.5と同じである。
また、これは補数の組の平均と同じである。
補数の組とは、(1,24),(2,23),(3,22,),(4,21),・・・,(12,13)である。
つまり、補数の組とは合計が一番小さい数1と一番大きい数である24との合計25になる2数のことである。
上の長方准魔方陣は、行に注目すると前半3つのセル(升)と後半3つのセルの対応関係が補数の組になっている。
つまり、行には補数が3組ずつ入っているので平均は問題なく補数の平均の12.5となる。
列の方に注目すると、前半2つと後半2つの合計が22と28になっている。
だから、それらを互い違いに入れれば合計は同じにすることができる。
すなわち、平均も同じである。
用意する4-6准魔方陣は中抜きで使うので、どの列・行も12以下と13以上が半分ずつ入っているという条件が加わるが、その条件もクリアしている。



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