魔方陣の法則その2
第2回授業を思い出して欲しい。
算数や数学の有力な方法として、分析と総合があることを紹介した。
問題が複雑な場合、単純な要素に分解し後で合成するという方法だ。
ここでは魔方陣の法則で作った5次魔方陣を種に分解してみよう。
分解は、合成の逆手順を踏めばよい。
17 | 24 | 1 | 8 | 15 |
23 | 5 | 7 | 14 | 16 |
4 | 6 | 13 | 20 | 22 |
10 | 12 | 19 | 21 | 3 |
11 | 18 | 25 | 2 | 9 |
まず種に分解したときに、二桁に統一するためすべてから1引いておこう。
16 | 23 | 0 | 7 | 14 |
22 | 4 | 6 | 13 | 15 |
3 | 5 | 12 | 19 | 21 |
9 | 11 | 18 | 20 | 2 |
10 | 17 | 24 | 1 | 8 |
種への分解はこれを5で割り、商と余りに分ければいい。
例えば、23なら
23÷5=4・・・3
から4と3に分解できる。すべて同手順を踏んで、
商
3 | 4 | 0 | 1 | 2 |
4 | 0 | 1 | 2 | 3 |
0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
1 | 2 | 3 | 4 | 0 |
2 | 3 | 4 | 0 | 1 |
余り
1 | 3 | 0 | 2 | 4 |
2 | 4 | 1 | 3 | 0 |
3 | 0 | 2 | 4 | 1 |
4 | 1 | 3 | 0 | 2 |
0 | 2 | 4 | 1 | 3 |
上の2つの図を見れば、ずらし法を行っていることがわかる。
商の方は、逆1ずらし(これは奇数次魔方陣の作り方だ。だから、完全魔方陣になっていない)、
余りの方は、2ずらしである。
斜め右に上がっていくことは、商の逆1ずらしに相当している。
次に余りに注目しよう。
行の2ずらしは、実は列の2ずらしと同じである。
1列目12340の動きを見れば、上に2つずつずれていっている。
4に注目しよう。本来であれば、斜め右に上がるところ0がすでに入っているため、
4の下に下がって4の次の0(01234012・・・という動きだからだ)を入れたわけだ。
0の動きは、結果的に上へ2ずらしである。
そして、列の上への2ずらしは行の立場から見れば2ずらしなのである。
商は逆1ずら(4ずらし)し、で余りは2ずらしなのでずらし方が違うため2つは直交する。
よって、合成すれば魔方陣が完成する。
つまり、斜め右上がりとすでに数字がある場合の1つ下がりに秘密があったというわけだ。
ここからわかることは、魔方陣の法則はいくらでも違うヴァージョンがあるということだ。
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